合診療科(内科)

合診療科(内科)について

当院の総合診療科(内科)は3名体制で診療を行っております。入院では発熱を主訴とする感染症が多くを占めております。
特に肺炎、尿路感染症が多く、そのほとんどが高齢者です。2025年には現在の団塊世代が後期高齢者となる2025年問題を迎えます。認知症や脳梗塞による嚥下機能の低下に伴い誤嚥性肺炎を起こした患者さんや、活動性の低下、フレイルの状態で尿路感染症を起こした患者さん、独居で入院はしたけれども退院の目処が立たない患者さんなどを多く診ております。外来ではいろんな症状があってどの科を受診してよいかわからない、他院で診断がつかない、なかなか症状がよくならないというような患者さんを積極的に受け入れています。

総合診療医は生物医学的問題のみを扱うのではなく、患者さん自身の健康観、病いの経験、社会的背景、文化的背景など全人的に理解し、患者さん、ご家族が豊かな人生を送れるように家族志向で診療・ケアを提供する点に重点を置いております。
患者さんの「病い」に焦点を当て、解釈モデルを駆使しながら患者さん本人、ご家族に満足していただける診療・ケアを提供します。単に治す医療を提供するだけではなく、幸せな人生を送っていただくために最もよい医療とは何か、何のために治療するのか、を重要視しています。

「疾患」を治すのではなく、「疾患をもつ患者さん」を治すという意識をもち診療に当たっております。

な疾患・治療

当科で担当する疾患は以下のとおりです。

①患者中心の医療:

単に疾患を治療するのではなく、患者さん、家族の思いに重点を置いております。具体的には現在の状態をどのように理解しているか、どうして欲しいのか、どのように感じているのか、入院がご本人、ご家族の生活にどのように影響しているか、などを明らかとし、本人さん、ご家族が最も幸せな医療を提供できるよう心がけております。

一つの例では、食事でむせたり、あるいは胃瘻などから注入した栄養の逆流によって引き起こされる誤嚥性肺炎があります。誤嚥性肺炎自体は抗生剤で治療を行いますが、嚥下機能の評価、嚥下訓練、食事形態の再考、全身状態の評価を行い、誤嚥を繰り返さないような対策を行っていきます。そのような対策にも関わらず誤嚥を繰り返す患者さんも見受けられます。繰り返す誤嚥性肺炎の治療は、延命にはなるかもしれませんが、本人やご家族の生活の質(QOL)を下げるとも言われております。

よりよい人生を送っていただくために、患者さん個人あるいはご家族の意思やQOLを考慮し治療方針を決めていきます。

②抗生剤の適正使用:

いわゆる風邪や副鼻腔炎で受診される患者さんもいらっしゃいます。入院で治療することはほとんどありませんが、時間外の外来で多く受診されます。多くの風邪はウイルスの感染であり抗生剤は効きません。

また、細菌感染症であっても軽症であれば抗生剤は必要ありません。抗生剤の乱用に伴う菌の耐性化を防ぐためにも、抗生剤の適正指導を行っております。

③ポリファーマシー:

高齢者ではいろいろな病気にかかりやすくなり、内服薬が増えます。内服薬が増えると、薬の飲み忘れが増えたり、相互作用によって副作用を起こす可能性も出てきます。

このような多くの薬を内服している状態、あるいは薬の相互作用により弊害が起きている状態をポリファーマシーといいます。当科では高齢者のポリファーマシーの問題にも眼を向け、薬剤師の方々とも連携し定期的にカンファレンスを行っております。年齢や本人の価値観を重要視しながら減らせる薬剤はないかを検討しております。

④高齢者世帯の増加:

高齢化に伴い、高齢者単身、あるいは高齢者のみの世帯が増加しております。いざ病気になった際に、どのような治療をどこまで行うのか、日ごろから考えておくとよいでしょう。

当科に入院になった際は本人、ご家族、ケアマネージャー、ソーシャルワーカーを含め、どのような生活、人生を歩むことが患者さん本人にとって最もよいか話し合っております。単に長生きすることよりも、よりよい幸せな人生を歩んでいただくことを願っております。

療実績

症例(2016.4-2017.3)
消化器疾患 急性肝炎 サイトメガロウイルス肝炎 肝硬変 急性胃腸炎 胃癌 大腸癌 急性肝不全 憩室炎 直腸潰瘍 総胆管結石 十二指腸潰瘍 腸壊死
循環器疾患 急性心不全 感染性心内膜炎 上腸間膜動脈解離 上腸間膜静脈閉塞症
代謝内分泌疾患 横紋筋融解症 亜急性甲状腺炎 甲状腺機能低下症
呼吸器疾患 肺炎(誤嚥性肺炎含む) 気管支喘息 COPD 肺癌
感染症 敗血症 尿路感染症 日本紅斑熱 咽頭結膜炎 破傷風 麻疹 亜急性壊死性リンパ節炎
腎疾患 急性腎不全 ネフローゼ症候群 尿細管性アシドーシス
血液疾患 骨髄異形成症候群 悪性リンパ腫 ITP
免疫・膠原病疾患 リウマチ性多発筋痛症 RS3PE症候群 アナフィラキシー
神経疾患 脳梗塞 ウェルニッケ脳症 良性発作性頭位めまい症  ウイルス性髄膜炎 細菌性髄膜炎 脳出血
精神疾患 心身症 転換性障害 睡眠障害
整形外科疾患 偽痛風 化膿性脊椎炎 化膿性膝関節炎 腸腰筋炎 腰椎圧迫骨折 骨転移
皮膚科疾患 帯状疱疹 蜂窩織炎 外陰潰瘍
その他 バルビツレート中毒 メニエール病 突発性難聴

療スタッフ

部長 石井 稔浩
(いしい としひろ)
主な資格 医学博士
日本内科学会認定医・専門医・指導医
日本呼吸器学会専門医
日本アレルギー学会専門医
日本プライマリ・ケア連合学会認定医・指導医
日本病院総合診療医学会認定医
専門分野  
趣味  
役職 名前 主な資格 専門分野
医員 堤 大輔(つつみ だいすけ)    
医員 髙﨑 智美(たかさき ともみ) 日本内科学会認定医
連合学会家庭医専門医
 
医員 堀之内 泰雄(ほりのうち やすお)    
医員 泉 雄紀(いずみ たかのり)    

大分市大宇宮崎1509-2tel:097-569-3121(代) fax:097-568-0743

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