射線治療装置

射線治療とは

放射線治療とは、エックス線や電子線などの放射線を用いて、がんを患者さまにとって安全かつ効果的に治療する方法です。
放射線は、がん細胞内の遺伝子(DNA)にダメージを与え、がん細胞を壊します。
放射線によって正常細胞も同様にダメージを受けますが、がん細胞とは異なり自分自身で修復することができます。
放射線治療によってがんを治したり、がんの増大による痛みなどの症状を緩和したりします。
放射線治療の治療計画は精密に行われ、治療に使われる装置は非常に精度の高いものなので、必要な範囲以外には放射線はあたりません。

療内容について

治療内容(治療効果、有害事象、経過観察等)は初診の際に詳細に御説明いたします。
各科より放射線治療依頼を受け、諸データを参考に診察→治療計画という流れで治療の準備をいたします。
実際の治療はリニアック(直線加速器)を使用した外部照射です。
身体の外部より病巣部に対して放射線照射を行います。使用する放射線はエックス線と電子線です。
診断で使用するエックス線と同じ性質ですが、治療に使用するため高エネルギーです。しかし、痛みや熱感等の外的影響はありません。
標準治療は月~金曜日までの週5回法です。
治療期間は疾患により2~7週間と差がありますが、治療内容、身体状況、通院条件等により適切に判断し対応いたします。
治療期間中は週2回の診察日をもうけ、治療効果や有害事象を詳細に観察し、必要な際には採血や画像検査を行います。

射線治療装置(Varian社製Clinac21EX)

当院で採用している放射線治療装置は、Varian社製の装置です。
照射に際して、放射線の種類はエックス線(4MV, 10MV)と電子線(4, 6, 9, 12, 15MeV)を出力します。
エネルギー・照射する方向や放射線の量など、 様々な調整を行って病巣を照射することになります。
特にマルチリーフコリメーター(5mm刻みの形状)という装置を用いて病変の形状に一致させた照射野を作成することで、必要な部位に放射線を照射し、不要な部位への照射線量を低減することが可能となります。

CTシュミレータ GE LightSpeed64列

3次元放射線治療計画装置に必要なCT画像を撮影するための装置です。
通常の診断に使われるCT装置と同じですが、治療時に必要とされる印をつけるためのレーザーや、固定具を使用します。
毎回同じ姿勢となっていただくために、必要に応じて、頭頸部用や体幹部用のシェル、腕挙げ用の固定台、吸引式の固定具を作成・使用します。
治療時と同じ体位で撮影できるように平坦な天板を備えています。

射線治療計画装置

Pinnacle3(日立メディコ)1台
Xio(ELKTA)1台

3次元放射線治療計画装置は、CT装置から送られた画像を元に、患者さま一人ひとりに最適な治療計画を効率的に作成,選択,照合します。なおかつ、正常組織を避けつつ腫瘍に集中して放射線を照射でき、いろいろな治療計画を比較してよりよい治療計画を立てることができます。
患者さまのケアと治療プロトコールの標準化をサポートし、より高品質で安全な放射線治療の実現に貢献します。

主な対象疾患

脳腫瘍(転移性)、悪性リンパ腫、乳癌
食道癌、肺癌、肝胆膵癌、直腸癌、前立腺癌、転移性骨腫瘍、皮膚癌、ケロイドなど

トロンチウム治療

ストロンチウム治療は放射性医薬品による新しい骨転移の疼痛緩和治療で、注射1回で済む外来治療です。
特に前立腺がん・乳がん・肺がん等の多発骨転移には全身の病巣に一度に効果があり、3ヶ月から6ヶ月は痛みがやわらぎ効果が持続しますので、患者様のQOLやADLなどを向上させることが出来ます。
反復投与も3ヶ月あければ可能で、鎮痛剤(NSAIDs、オピオイド)やホルモン治療あるいはビスホスホネート系薬剤とも併用できます。
奏効率は平均76%、非反応者は平均25%、完全寛解率は平均32%、鎮痛薬の減量が71~81%で見られます。
外部照射など他の治療と組み合わせることも可能です。

射線治療についてのお問合せ・ご質問は

お問合せ先

大分市医師会立アルメイダ病院 放射線科 放射線治療リニアック室
TEL /(代表)097-569-3121(内線)1197

担当医師

放射線科治療部 部長 矢野 達彦(放射線治療専門医)

大分市大宇宮崎1509-2tel:097-569-3121(代) fax:097-568-0743

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